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読書感想文:臆病者のための億万長者入門(橘玲)⑤ [読書感想文]

どどどっと昨日の続きをば。

【第5章 マイホームという不動産投資】
■マイホームと賃貸、どちらが得か
・マイホームは所有が得で、ビジネスは賃貸が得だ、ということは両方同じ不動産取引である以上、ありえない
・市場が十分に効率的な場合、マイホームと賃貸のどちらを選んでも損も得もないように不動産価格と賃貸が決まるはず
・人は売却の時にしかマイホームを時価評価する機会がないのがほとんど
・賃料がいらなくなるというマイホームと同じ効果は、別の資産(株とか)でも実現可能
 ⇒ 1000万円の手付金で4000万円借金をし、5000万円の資産価値のあるマイホームを購入したとする。
   賃貸していた時の賃料が25万円だとする。
   0.8%の35年ローンで4000万円を借りるとすると、毎月の返済額は10万円強であり、それで家賃25万円相当に住めるとなると
   得な気分になるが、
   4000万円で年配当6%の株式を購入したと考えた場合、月にならせば25万円の収益であり、賃料に充てれば同じ暮らしが実現できる。
 ⇒ 「賃料よりマイホームが得だ」という常識は、「借金をして投資した方が得だ」という話を言い換えただけである。
 ⇒ 普通は投資のために個人が多額の金を借りることはできず、何千万円もの借金ができる機会はマイホーム購入の時だけゆえ、
   判断が鈍りがち。
■不動産の適正価格
・株の実質価値の理論同様、不動産の価値はそれを他人に貸した時の賃料である
・不動産価格=毎年の賃料÷金利
 ⇒ 日本の不動産市場の割引率は5%程度
 ⇒ 今住んでいるマンションを賃貸に出せば月額10万円を受け取れると仮定
 ⇒ 1年間の賃料総額は120万円だから、理論価格は120万÷5%で、このマンションの理論価格は2400万円、となる
 = 不動産の収益還元法
 ⇒ 同じ地区の同程度の物件がいくらで売買されているかをあらかじめ調べ、価格×5%で適正年間家賃総額がはじき出せる
■不動産市場=インサイダーマーケットには手を出すべきでない理由
①株式は市場で取引されるが、不動産は相対取引である
株式とことなり、不動産価格は不動産業者と顧客との交渉で決まるゆえ、交渉結果によって割高・割安が決まってしまう。
②株式市場では時価が瞬時に公開されるが、不動産取引では売り手の希望価格しかわからない
株式市場ではリアルタイムの株価から投資家は投資判断を下せるが、不動産市場は売主(業者)の価格提示から交渉が始まり、
同地区の売買情報や価格もオープンになっていない。
③株式取引では特定の投資家だけを優遇できないが、不動産取引では顧客を差別化することが当たり前になっている
どの物件を誰に営業するかは業者の自由。
④株式市場では投資家にすべての情報が公開されるが、不動産取引では最低限の情報しか教えてもらえない
インサイダー取引の規制はない
⑤株式取引の手数料は自由化で下がったが、不動産仲介手数料はいまだに「物件価格の3%+6万円」
⇒ 市場が閉鎖的であればあるほど、素人はぼったくられる=情報の非対称性
■第5章のまとめ
不動産投資において、法人の多くは賃貸であり、マイホーム購入は借金のリスクに対して、他の借金でできる投資手段と異なり、
メリットがとりわけ大きいわけでもなく、割に合わない。
また、不動産市場はインサイダーマーケットであり、情報の非対称性から、素人はぼったくられるのが常でり、
上物の不動産を購入できることは稀であり、投資をすべきマーケットではない。


以上、不動産でした!
つづく。
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