SSブログ

読書感想文:起業のファイナンス(磯崎哲也)② [読書感想文]

前回の記事の続き。

前回は「税制適格ストックオプション」までまとめた。
今回は「税制非適格ストックオプション」から。

↓つづき

■税制非適格ストックオプション
キャピタルゲインが給与扱いのため、高い累進税率で課税がかかる。
行使した時点で課税される。行使した時点で売却できるとは限らない。


■資本政策
議決権などは発行済み株式の持ち株数によって決まる。
ストックオプション分などは考慮されない。
特にエンジェルなど最初期の投資家は、一緒に企業価値を高めてくれるような努力をしてくれる投資家から資金を受けること。

・株主総会の特別決議が必要な事項
①定款の変更
②募集株式の事項の決定
③組織変更・合併・会社分割・株式交換・株式移転
④事業譲渡や譲受等
⑤資本金の額の減少

・連結決算
基本は50%だが、役員を送り込んでいたり、経営方針を決定する契約がある一定の場合などには、40%でも連結する必要がある。
また、20%以上は持分法適用になり、同じく役員を送り込んでいたり経営方針を決定する契約がある場合には15%以上で持ち分法適用になる。
⇒ 投資してもらう会社の決算が投資する会社の決算に影響を与える。
⇒ 投資する会社側の決まり事や決算資料の作成、内部統制を強いられることがある。

・企業価値 / (発行済み株式数+潜在株式)=完全希薄化ベース


■投資契約
投資家、会社、経営者間で締結される契約のこと。

・ベンチャーキャピタルの選定
 ハンズオンしてくれるのか?
 ⇒ ハンズオンの定義は曖昧。役会に月に1回出るだけのことをハンズオンとしてるVCもある。
   ちゃんと、企業価値向上のために身を粉にしてハンズオンしてくれるかどうか見極める必要がある。

・投資を受けるまでのプロセス
①守秘義務契約の締結(NDA)
②タームシートを締結:どの程度の金額を投資して何%の持分が欲しいのか、どんな投資契約なのかを書面にしたもの。
③デューデリジェンス
④投資契約締結
⑤投資の実行

・投資契約の内容例
①株式の募集内容:今回何株発行して、1株の価格がいくらで~などが書かれる。
②表明及び保証:提出資料が虚偽でないこと、反社会的勢力に関係していないこと、月1レポート送ること、などの保証・宣言書
 ⇒ 細かいことなどをコミットさせられる可能性があるため、注意。
③取締役の指名
④投資家から見たEXIT可能性の確保:回収を確実にするための条項が盛り込まれる。
⑤上場等の努力義務
⑥株式の買取条項:例)○年までに上場できない場合には会社と社長が連帯して株式を買い取らなければならない
⑦先買権:投資家が株式を売却するなら、会社や社長に相談し、会社や社長が指定する第三者が買えるようにしておくという権利。
⑧拒否権
⑨優先引受権
⑩共同売却権

・優先株式
次に掲げる内容について異なる定めをした内容の異なる2以上の種類の株式のこと
①剰余金の配当を受ける権利
②残余財産の分配を受ける権利
③株主総会における議決権の範囲の制限
④株式の譲渡制限
⑤株主からの取得請求権(プットオプション)
⑥会社による取得条項(コールオプション)
 ⇒ 優先株式の普通株式への転換比率なども決める。参加型優先株式・優先分配権も。
⑦全部取得条項(株主総会の特別決議で取得)
⑧種類株主総会での決議事項
⑨取締役または監査役の選任権
ベンチャーが受ける可能性があるのは、2,6,8,9


■参考図書、サイト
図書
・いくらやっても決算書が読めない人のための 早い話、会計なんてこれだけですよ!(岩谷誠治)
・孫子(岩波文庫)
・競争の戦略(マイケルポーター)
・ベンチャー企業の法務・財務戦略(商事法務)
サイト
EDINET、EDGAR(アメリカの各社財務データ検索)、AZX総合法律事務所(ベンチャーが用いる各種書類のひな型がある)、
法令データ提供システム、イソログ


以上、読書感想文でした!

タグ:読書感想文
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。